本「バベル消滅」(飛鳥部勝則)

最近お気に入りの飛鳥部勝則の昔の作品を読んだ。

うーん。一応は本格ミステリと言えると思う。伏線は回収されるし、辻褄もあうんだけど、やられた感がないというか、カタルシスがない。 「殉教カテリナ車輪」は本格ミステリっぽくてよかったけど、 しかし「ラミア虐殺」や「堕天使拷問刑」と同じ作者とは思えない。

テーマ的には「バベル消滅」と「堕天使拷問刑」はバベルの塔つながりなので作者はバベルの塔に強い思い入れがあるのだろう。

ちょっと小説はもういいかな。

本「オペラ座の美女」(鯨統一郎)

ヤクドシトリオと桜川東子のシリーズ。

んー。あんまりだったかなぁ。

マスターがだんだんウザくなってきたかなー。 オペラに馴染みがなさすぎてピンとこなくてのめり込めなかった。

そういう意味では、「九つの殺人メルヘン」(グリム童話)や「浦島太郎の真相―恐ろしい八つの昔話」(日本の昔話)はよかったし、「今宵、バーで謎解きを」(ギリシャ神話)はよかったんだけどなあ。

ちなみに少し前にも書いたが「笑う娘道成寺」は歌舞伎なのでこっちもだめだった。

本「殉教カテリナ車輪」(飛鳥部勝則)

あの「ラミア虐殺」や「堕天使拷問刑」の作者のデビュー作だ。 どんな化物がでてこようが驚かないぞ!と思っていたらちゃんとした本格だった

うん。面白かった。

他の作品も要チェックだ。

殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)

殉教カテリナ車輪 (創元推理文庫)

本「笑う娘道成寺」(鯨統一郎)

歌舞伎の知識があまりないためか、あまり楽しめなかった。

次の「オペラ座の美女」に期待。

笑う娘道成寺 女子大生桜川東子の推理

笑う娘道成寺 女子大生桜川東子の推理

本「堕天使拷問刑」(飛鳥部勝則)

賛否両論あるみたいだが、僕は楽しめた。 まじめな本格ミステリー好きはあまり楽しめないかもしれない。

ある程度、バカミスを許容できる人ならOKだろう。

主人公が理不尽なイジメあうシーンもあるが、そこまでイヤなかんじでもない。 むしろ話の特殊性に引き込まれてしまう。ひさしぶりに寝る暇を惜しんだ。

まるで横溝正史のようなミステリでもあり、オカルトミステリでもあり、青春ミステリでもある。

結末もいろんな意味で意外であり、そこも楽しめる人は楽しめる。

次は「殉教カテリナ車輪」かな。

堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)

堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)

本「すべての美人は名探偵である」(鯨統一郎)

先日読んだ桜川東子シリーズの長編である。 残念ながらヤクドシトリオはでてこない。

うーん。おもしろいんだけど長編はしんどいなあ。 そもそも謎の粒度が短編向きだと思う。

やっぱり鯨統一郎先生は短編が真骨頂だ。

蛇足だが、この本の中に「ちゃんとした日本語を使いなさい」と日本語を訂正するシーンがある。 にも関わらず地の文で「憮然と」の表現を本来の意味ではない表現で使っていたような気がするけど、あれはわざとなのか・・・。 言葉なので人口に膾炙したほうの使いみちが正解だということなのかもしれないけど。

すべての美人は名探偵である (光文社文庫)

すべての美人は名探偵である (光文社文庫)