本「黒龍荘の惨劇」(岡田秀文)

タイムリーにも、ホーム|日本推理作家協会 にあるように、第68回日本推理作家協会賞候補作に挙げられた作品だ。

ミステリー小説には、「ミステリー」部分と「小説」部分があると思う。「ミステリー」は謎解きに関わる部分。謎のおもしろさ、伏線のうまさ、犯人の意外性なんかがその部分だ。「小説」は、読みやすさや雰囲気作りのうまさや、キャラクターの魅力や読み物としてのおもしろさ、なんかがそうだ。

本作は「ミステリー」部分は意外性はあったが、アラも多いような気がする。 ただ「小説」部分が良かった。雰囲気作りがうまいのだ。明治時代の雰囲気が、登場人物のセリフやワードの選び方でうまく醸しだされている。読んでいて心地よかった。

前作の「伊藤博文邸の怪事件」も読んでみようかな。

黒龍荘の惨劇

黒龍荘の惨劇