映画「ヒューゴの不思議な発明」
いや、いい映画だとは思うんだけど。
「ライラの冒険」や「スパイダーウィックの謎」のようなファンタジーものではない。
これを期待していたので違和感を感じたまま見続けてなんか変な感じになってしまった。
父をなくした一人の機械好きの少年の話が、徐々に実在の映画監督ジョルジュ・メリエスのドキュメンタリーチックな話に変わっていく。 そのジョルジュ・メリエスの「月世界旅行」という世界最初のSF映画と言われる映画が作中にでてくるが僕は浅学ながら知らなかった。
監督はマーティン・スコセッシ。 いろいろネットをみていると3Dでみるべき映画のようだ。 実在の映画監督をとりあげているだけあって、映画好きには過去の様々な名作のオマージュが伺えるシーンがあるようであるが・・・そんな映画とは思ってみてなかったよ。フランスの駅が何かのきっかけでファンタジックな世界に変わるとか移動するとかそんな話かと思っていたのに。
舞台はフランスなのに登場人物はみな英語で話す不自然さもあり、アメリカ人のクロエ・モレッツがイギリス英語を話している違和感もあり、うちの奥さんが期待していたジュード・ロウの出番は10分程度だったり、ヒューゴは別に何も発明してなかったり、と、まあ、アレです。
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本「風ヶ丘五十円玉祭りの謎」(青崎有吾)
古株のミステリファンなら即座に「五十円玉二十枚の謎」を思い浮かべただろう。
この本は20枚ではないが、たくさんの50円玉の謎という同じような謎に挑んでいる。
全体的に個人的には謎解きには物足りなさを感じるが、短編集だからそんなものか。
この本を読む前には、「体育館の殺人」と「水族館の殺人」を読んでおくことをオススメする。
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映画「ヘンゼル&グレーテル」
原題のほうがわかりやすい。「Hansel and Gretel: Witch Hunters」 あのヘンゼルとグレーテルが魔女ハンターになったという設定。
ヘンゼルはジェレミー・レナー。グレーテルはジェマ・アータートン。 魔女役はX-MENではめっちゃ強いジーン・グレイを演じたファムケ・ヤンセン。
手軽にアクションを見たいという人にオススメ。なんと90分を切ってるというコンパクトさ。 「ヴァン・ヘルシング」が好きな人なら楽しめるはず。あっちは魔女ではなくバンパイア退治だったが、雰囲気ああいう感じ。 武器などの小道具も結構凝っていておもしろい。
ただそのコンパクトゆえか、戦闘シーンがわりとあっさりとしているし、盛り上がりに欠ける点は否めない。
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本「隻眼の少女」(麻耶雄嵩)
読みたいと思いながらもなかなか手を出してなかった2013年の作品。
なんだろうなぁ。 後半の読者をバサバサと裏切っていく感じはこれぞ麻耶作品と言うか。 ある意味楽しめたのでいいんだけど。
ただ屋敷内の部屋や庭の位置関係はとてもややこしく見取り図がほしかった。 また家系図はちゃんと買いてくれてるけどこれもややこしくなかなか関係性が頭に入らなかった。
「みかげ」の服装(水干)もあの表紙がありきで認識できたがあの表紙がなかったら頭に描けなかっただろう。
なんにせよ、まあ、楽しめた。 さすが麻耶さん。
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本「建築屍材」(門前典之)
第11回鮎川哲也賞受賞作である。 門前典之氏の作品は発表順ではなくバラバラに読んでしまっている。 先日読んだのは「灰王家の怪人」でこれは2011年だが、この「建築屍材」は2001年と10年の開きがある。
読んでみてある意味10年の開きを理解できた。 この「建築屍材」、まぁ読みにくい。 建築に関する専門用語が解説されながらとはいえたくさん出てくるし、その割には地の文の説明や背景の説明が少ないように思える。 なんというか荒削りな感じなのだ。
しかし謎はこれでもかというくらいに出てきる。 建物見取り図、密室、謎の足跡、ダイイングメッセージなど本格推理ファンが大好きなお膳立てもある。
ただちょっとダレるわ。
でも、門前氏の他の作品はまだ読んでいくつもり。
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本「灰王家の怪人」(門前典之)
門前典之氏の作品は「屍の命題」しか読んでいないが、この作品のトンデモ加減が気に入ったので別の作品を読むことにした。 そして手にとったのが「灰王家の怪人」だ。
本格ミステリには、建物の見取り図がよくある。これをみながら読者も推理するのだ。 「屍の命題」にもあった。作者は建築家でもあるので、今回はどんな見取り図なのかと思ったら、びっくりした。 これ逆に見取り図いるか?というくらいのシンプルな図。逆に楽しみになる。
各所に違和感を感じながら読み進めていって、これは大きなトンデモが来るに違いないと思っていたら・・・ うーん・・。トンデモではあるけど・・・なんか切ない話だし・・・。
確かにその結末だと、随所に散りばめられた違和感は解釈はできるけど・・・。
面白くはあったんだけど、読後感はあまりよくない。
次はデビュー作品、「建築屍材」を読んでみよう。
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本「ヒキコモリ漂流記」(山田ルイ53世)
何を隠そう僕は檀家である。 何のことかわからない人はだまってポッドキャスト 髭男爵 山田ルイ53世のルネッサンスラジオ を聞こう。 このポッドキャスト(文化放送のローカル局の一部ではラジオ放送もしている)のヘビーリスナーを「檀家」と呼ぶのだ。
もう4, 5年はほぼリアルタイムで聞いている。
そしてパーソナリティーである髭男爵 山田ルイ53世は僕と歳も近く、一人目の子どもが出来た年も同じで勝手に共感してしまっているところもある。
その男爵が本を書いた。去年の8月に出版されている。
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平たくいうと自伝である。幼少期より芸人になるまでの波瀾万丈の人生を赤裸々に記している。 やっと読み終わったわけだが、素直にその感想を書いてみる。
芸人だからか、妙に例えが多く、そこは少し読みにくい。 その例えが知識をひけらかしているようにも思え、文章のリズムを悪くしている。
ということだけが気になったが、話は事実なので当たり前だがリアリティがあり、ぐいぐいと引き込まれてしまう。 陽気にラジオで話している男爵にまさかこんな時代があったのか、とそれはもうすごい人生である。
引きこもりながらも、そんな自分を否定している男爵。 本当はできるという自分を感じながらもまわりとの差がどんどん開いていく。
僕自身は同様の経験があるわけではないが、ひねくれ加減が男爵と近いのか、共感しながら読むことができた。
世の中のヒキコモリが皆男爵と同じ経緯であったり同じ思いをしているわけではないとは思うがヒキコモリの一例として読んでおくのは悪くないと思う。特に子を持つ親であれば。