本「アルキメデスは手を汚さない」

久しぶりに小説を読むことにした。たしか10年以上前にも友人に勧められたが読まずに今まで来てしまった。

約40年前の小説で、東野圭吾も感銘を受けたという名作「アルキメデスは手を汚さない」。作者は小峰元。故人である。

舞台は豊中市。私の育った町なので親近感がわく。 古い作品だけあって、土曜日に登校するのが普通だったり時代を感じる。

いわゆるミステリー的にみると・・・今となってはちょっと物足りない。どんでん返しに慣れてしまっているので、最後に期待したがそのまま終わってしまった。ま、40年前ならこれでも十分か。

1点ものすごく違和感を感じたところがある。メインストーリーには全然関係ない。 この物語はお葬式のシーンから始まる。死んだのは「柴本美雪」である。その後美雪の友達として何人かの人物が登場するのだが、そのうちの一人が「延命美由紀」なのだ。苗字が珍しいのはよいとして、名前が同じ読み方をするのはどうなんだ? それくらいがリアリティなのか? ミスディレクションなのか? ここで読みを同じにするのはストーリー的に邪魔な気がするのだ。もっと言うと映像化されたときにはここは変えざるを得ないのではないかとどうでもいいことまで考えてしまう。

アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)

アルキメデスは手を汚さない (講談社文庫)